「Squareを導入しようと思うけど、本当に自分のお店に合ってるの?」
「公式サイトにはメリットばかり書いてあるけど、実際のデメリットは何だろう?」
「他の決済サービスと比べて、Squareの弱点は何なんだろう?」
キャッシュレス決済の導入を検討する多くの事業者様が、このような疑問や不安を抱えています。特に初期投資や月々のコストが気になる新規開業の方、日々の入金サイクルが重要な小規模事業者の方にとって、導入前にメリットだけでなくデメリットもしっかり把握することは非常に重要です。
この記事では、Square(スクエア)の公式情報を徹底的に分析し、表には出てこないデメリットと、実際に役立つメリットを公平な視点で解説します。「条件付きの手数料」「入金サイクルの制約」「端末導入コスト」など、知っておくべき重要なポイントを余すことなくお伝えします。
これからSquareの導入を検討されている方はもちろん、すでに他社サービスを利用中で乗り換えを検討中の方も、この記事を参考に、自社ビジネスに本当に合うかどうかを見極めてください。
Square(スクエア)のデメリット
早速、スクエアのデメリットから紹介します。スクエアには主に以下5つのデメリットがあります。
- 条件によって決済手数料が高くなる
- 端末導入の初期費用がかかる
- 決済端末の到着に時間がかかる
- 入金サイクルの制約
- その他の制約や制限
条件によって決済手数料が高くなる
スクエアの決済手数料は一見シンプルながら、条件によって大きく変わる点に注意が必要です。
対面カード決済の基本手数料は2.5%ですが、これは「年間キャッシュレス決済金額が3,000万円未満の中小企業、かつ新規加盟店」という条件が適用される場合のみです。QRコード決済や電子マネー決済(PayPay、楽天ペイ、交通系ICカードなど)は一律3.25%と高めに設定されています。
さらに、年間キャッシュレス決済額が3,000万円を超える場合は「カスタム決済手数料」となり、その具体的な料率は公開されていません。事前に見積もりを取る必要があるため、規模の大きい事業者にとっては料金の予測が立てにくいデメリットがあります。
また、既存加盟店に対する手数料体系も不明確で、公式サイトでは「お問い合わせください」とされており、透明性に欠ける面があります。
端末導入の初期費用がかかる
スクエアのキャッシュレス決済には専用端末が必要で、各端末には以下のような初期費用がかかります。
初期費用
- Square レジスター:¥84,980〜89,480円
- Square ターミナル:¥39,980〜49,800円
- Square スタンド:¥29,980円
- Square リーダー:¥4,980円
無料オプションとしてiPhoneやAndroidのタッチ決済機能を利用することもできますが、この場合はタッチ決済にのみ対応しており、ICチップカードや磁気ストライプカードには対応していません。特に日本ではまだタッチ決済に対応していないカードも多いため、実用性には限界があります。
端末は分割払いにも対応していますが、その場合の総支払額は一括払いより高くなる可能性があります。例えば、Square ターミナルは一括で¥39,980円ですが、12回払いだと月額¥3,332円で総額¥39,984円となります。
小規模事業者やキャッシュフローが厳しい開業初期の事業者にとって、これらの初期費用は大きな負担となる可能性があります。
決済端末の到着に時間がかかる
スクエアのアカウント登録後、実際に決済を開始するまでには時間がかかる場合があります。決済端末の配送には「2日から5日程度」かかるとされており、急いでキャッシュレス決済を導入したい場合には不便です。
アカウント登録自体は数分で完了し、一部のクレジットカードブランドについては最短で当日から決済受付が可能とされていますが、これはあくまで「一部」の機能に限られます。フル機能での利用には端末の到着を待つ必要があります。
また、アカウント登録から審査完了までの時間も事業者によって異なり、審査が完了するまではキャッシュレス決済を受け付けることができません。急ぎの対応が必要な場合や、週末のイベントに向けて短期間での導入を考えている場合には、この時間的制約を考慮する必要があります。
入金サイクルの制約
スクエアの大きなデメリットの一つが、使用する銀行口座によって入金サイクルが大きく異なる点です。
三井住友銀行またはみずほ銀行の口座を登録している場合は、売上が最短翌営業日に入金されます。しかし、それ以外の金融機関の口座を使用している場合は「毎週水曜日締め、同じ週の金曜日に合算で振り込まれる」という週1回のサイクルとなります。
この週1回の入金サイクルは、特に日々の売上を運転資金に充てる小規模事業者にとっては大きな制約となる可能性があります。例えば、木曜日に発生した売上は翌週の金曜日まで入金されないため、最大で8日間の遅れが生じます。
この制約は、キャッシュフロー管理を重視する事業者や、毎日の入金を前提とした資金計画を立てている事業者にとって大きなデメリットとなるでしょう。
その他の制約や制限
POSレジの一部機能が有料
Squareは基本的なPOSレジ機能を無料で提供していますが、より高度な機能の一部は有料となっています。例えば、詳細な在庫管理や高度なレポート機能、複数店舗の一元管理などには追加費用がかかる場合があります。
アカウント審査の必要性
キャッシュレス決済の利用開始には審査が必要で、審査結果によっては利用できない可能性もあります。特に業種によっては審査が厳しくなる場合があるため、事前に確認が必要です。
分割払いの制約
端末の分割払いについては「日本国内で発行され、分割払いに対応した有効なクレジットカード」という条件があり、利用可否やその条件はカード会社によって異なります。利用前に自社が保有するカードが条件を満たしているか確認する必要があります。
払い戻し処理の手続き
キャッシュレス決済での払い戻し(返金)処理は可能ですが、その詳細な手続きや条件については公式サイトでの説明が限られています。特に返金手数料の有無や返金期限などが不明確なため、返品やキャンセルが多い業種では注意が必要です。
スクエアの評判・口コミが気になる場合は、以下の記事が参考になります。

Square(スクエア)のメリット
一方で、スクエアには導入するメリットもあります。以下のメリットがデメリットを凌駕しているため、スクエアは人気サービスとなっています。
- 素早い入金サイクル
- 導入の手軽さ
- 多様な決済手段への対応
- POSレジアプリを無料で利用できる
- 端末種類が多くて使いやすい
- オンライン決済にも対応している
- 非接触決済(タッチ決済)にも対応
素早い入金サイクル
Squareの大きなメリットの一つが、特定の銀行口座を使用した場合の素早い入金サイクルです。三井住友銀行またはみずほ銀行の口座を登録している場合、売上金は最短で翌営業日に入金されます。
これは、入金が月1回や週2回といった頻度の決済サービスと比較すると、キャッシュフロー管理の面で大きなメリットとなります。特に、日々の売上を運転資金として活用している小規模事業者にとっては、この素早い入金サイクルは事業運営の安定性に直結します。
さらに、振込手数料が無料である点も見逃せないメリットです。他社サービスでは入金の都度手数料がかかるケースもあるため、長期的に見るとコスト削減につながります。
導入の手軽さ
Squareの導入プロセスはシンプルで、オンラインでの申し込みから数分で完了します。複雑な契約手続きや店舗審査のための来店が不要なため、忙しい事業者でも手軽に始められます。
アカウント登録時に必要な情報は、メールアドレス、事業内容、代表者情報、入金先口座情報などの基本的な項目のみ。審査も多くの場合オンラインで完結し、承認されれば即座にサービスを利用開始できます。
また、長期契約の縛りがないため、試験的に導入してみて合わなければ解約することも容易です。この柔軟性は、特に新規事業やキャッシュレス決済を初めて導入する事業者にとって大きなメリットとなります。
多様な決済手段への対応
Squareは幅広い決済手段に対応しており、顧客の支払い方法の多様化に柔軟に対応できます。
- クレジットカード(Visa、Mastercard、American Express、JCB、Diners Club、Discover)
- デビットカード
- 電子マネー(Suica、PASMOなどの交通系ICカード、QUICPay、iD)
- QRコード決済(PayPay、楽天ペイ、au PAY、d払い、メルペイなど)
- Alipay+、WeChat Pay(インバウンド対応)
特筆すべきは、海外発行のクレジットカードにも対応している点です。訪日外国人向けのビジネスを展開している事業者や、インバウンド需要が見込まれる地域での営業には大きなメリットとなります。
また、新たな決済手段が登場した際も、Squareが対応すれば自動的に利用可能になるため、決済トレンドの変化に柔軟に対応できます。
POSレジアプリを無料で利用できる
Squareでは、高機能なPOSレジアプリを基本的に無料で利用できます。このアプリには以下のような機能が含まれています。
- 商品登録・管理
- 売上データの集計・分析
- 請求書の作成・送信
- 顧客情報の管理
- レシート発行
- タイムカードなどの従業員管理基本機能
特に小売店向けの在庫管理機能や、飲食店向けのオーダーエントリーシステムなど、業種別に最適化された機能が無料で提供されている点は大きなメリットです。
有料機能もありますが、基本的な業務はすべて無料プランでカバーできるため、特に開業初期のコスト削減に貢献します。また、iPadやAndroidタブレットなど既存のデバイスで利用できるため、専用の高額POSレジを購入する必要がないことも魅力です。
端末種類が多くて使いやすい
Squareは様々なビジネスニーズに対応するため、複数タイプの決済端末を提供しています。
- Square リーダー(¥4,980): 小型で持ち運びに便利なカード専用リーダー。モバイル販売やイベント出店に最適。
- Square ターミナル(¥39,980〜): バッテリー内蔵のオールインワン端末。レシートプリンター内蔵で持ち運びにも対応。
- Square スタンド(¥29,980): iPadを高機能POSレジに変えるスタンド。カウンター設置型の本格的なレジとして。
- Square レジスター(¥84,980〜): 2つのタッチスクリーンとカードリーダー内蔵の一体型POSレジ。
端末の選択肢が多いため、ビジネスの規模や業態、予算に合わせて最適な端末を選ぶことができます。例えば、出張販売がメインの事業者はSquare リーダーを、カフェや小売店はSquare ターミナルやレジスターを選ぶといった具合です。
また、すべての端末がワイヤレス対応で、特にSquare ターミナルは持ち運びも可能なため、店内のどこでも決済できる点が接客の柔軟性を高めます。飲食店ではテーブルでの会計が可能になり、顧客の待ち時間短縮にもつながります。
オンライン決済にも対応している
Squareは実店舗での決済だけでなく、オンライン決済にも幅広く対応しています。
- Square オンラインストア: 無料から始められるECサイト構築サービス。商品登録数に制限がなく、専門知識がなくても簡単に本格的なネットショップを開設できます。
- Square 請求書: メールで送信できるオンライン請求書サービス。顧客は受け取った請求書からそのままオンライン決済可能。自動リマインダー機能で支払い忘れ防止にも役立ちます。
- リンク型決済: SNSやメールで送れる決済リンクを作成できます。商品ごとに異なるリンクを作成でき、特設サイトなしでSNSマーケティングと販売が連携できます。
実店舗とオンライン販売の売上データが一元管理できるため、マルチチャネル展開している事業者にとって管理の手間を大幅に削減できます。また、コロナ禍でのビジネスモデル転換や、実店舗とオンラインの併用など、柔軟なビジネス展開を支援する仕組みとなっています。
非接触決済(タッチ決済)にも対応
Squareはタッチ決済(非接触決済)に完全対応しており、特にiPhoneやAndroidスマートフォンでの直接タッチ決済受付も可能です。この機能を使えば、追加の端末費用なしでタッチ決済を導入できます。
タッチ決済のメリットは以下の通りです。
- スピーディーな決済処理: カードをリーダーに差し込んだり、サインや暗証番号入力をする必要がないため、決済時間が大幅に短縮されます。
- 衛生面での安心: 物理的な接触が最小限となるため、感染症対策としても有効です。コロナ禍以降、接触を避けたい顧客に対応できる点は大きなメリットです。
- 最新決済技術への対応: Apple PayやGoogle Payなどのスマートフォン決済にもシームレスに対応できます。
特にiPhoneやAndroidでのタッチ決済受付は、追加費用なしで導入できるため、初期コストを抑えたい事業者にとって魅力的なオプションとなります。
Square(スクエア)が向いている・向いていない事業者
スクエアのデメリットやメリットから、導入に値するサービスなのかを考えましょう。ここでは、向いている事業者、向いていない事業者をまとめました。
Square(スクエア)が向いている事業者
新規開業・スタートアップの事業者
月額固定費がなく、初期費用も比較的抑えられるSquareは、キャッシュフローに敏感な開業初期の事業者に適しています。特に、Square リーダー(¥4,980)やiPhone/Androidのタッチ決済機能(無料)を使えば、低コストでキャッシュレス決済を導入できます。
また、オンラインでの申込みから最短で当日に決済受付開始できる点も、急いで事業を始めたい事業者には大きなメリットです。
モバイル販売やイベント出店が多い事業者
Square ターミナルやSquare リーダーなどの持ち運び可能な端末は、出張販売やイベント出店、マルシェなどの移動販売に最適です。バッテリー内蔵で、Wi-Fi環境があれば場所を選ばず決済ができます。
さらに、インターネット環境がない場所でもオフラインモードで決済を受け付けられる機能も、アウトドアイベントなどでは重宝します。
三井住友銀行・みずほ銀行を利用している事業者
三井住友銀行またはみずほ銀行の口座を使用している事業者は、Squareの最大のメリットである「最短翌営業日入金」を享受できます。日々の売上を早く資金化したい事業者にとって、この素早い入金サイクルは大きな魅力です。
オンラインと実店舗の両方で販売している事業者
実店舗とECサイトの両方を運営する事業者にとって、Squareは統合された販売・在庫管理を提供します。オンラインストア、実店舗、SNS販売などのチャネルを横断した一元管理が可能なため、管理の手間を大幅に削減できます。
多様な決済手段に対応したい事業者
クレジットカード、電子マネー、QRコード決済など、多様な決済手段に対応したい事業者にとって、Squareは理想的な選択です。特に訪日外国人客が多い店舗では、海外発行カードや中国のQR決済にも対応している点が強みとなります。
Square(スクエア)が向いていない事業者
年間決済額が3,000万円を超える大規模事業者
年間のキャッシュレス決済額が3,000万円を超える事業者は、Squareの標準料金体系(2.5%)が適用されず、「カスタム決済手数料」となります。この場合、より大規模な事業者向けの他社サービスと比較検討する方が良いでしょう。
大規模事業者向けの決済サービスでは、取引量に応じた段階的な料率設定や月額固定費を支払うことで手数料率を下げるプランを提供していることがあります。
ちなみに、年間決済額が3,000万円を超える事業者は、ペイゲートやステラパックがおすすめです。
ペイゲートの評判・口コミが気になる場合は、以下の記事が参考になります。

ステラパックの評判・口コミが気になる場合は、以下の記事が参考になります。

他の会計システムとの連携が必須の事業者
既存の会計システムやERP(企業資源計画)システムとの緊密な連携が必要な事業者にとって、Squareは連携オプションが限られる場合があります。特に業界特化型の専門システムとの連携については、事前に確認が必要です。
複雑な在庫管理・顧客管理が必要な事業者
多数のSKU(Stock Keeping Unit)を持つ小売店や、複雑な顧客管理が必要なサービス業の場合、Squareの基本的な在庫・顧客管理機能では不十分かもしれません。より高度な機能が必要な場合は、有料プランへのアップグレードや専門システムとの併用を検討する必要があります。
三井住友銀行・みずほ銀行以外の銀行を利用し、頻繁な入金が必要な事業者
三井住友銀行・みずほ銀行以外の銀行口座を使用している場合、週1回の入金サイクル(毎週水曜締め、金曜日入金)となります。日々の資金繰りがタイトな事業者や、より頻繁な入金が必要な場合は、この制約が大きなデメリットとなる可能性があります。
高額の設備投資ができない事業者
Square レジスター(¥84,980〜)のような高機能端末を導入したい場合、その初期費用が負担となる事業者もいるでしょう。分割払いオプションはありますが、それでも月々の支払いが事業の資金繰りを圧迫する可能性があります。
まとめ
Square(スクエア)は、シンプルな料金体系と使いやすさで多くの事業者に支持されているキャッシュレス決済サービスですが、すべての事業者に適しているわけではありません。
デメリット
- 条件によって決済手数料が高くなる
- 端末導入の初期費用がかかる
- 決済端末の到着に時間がかかる
- 入金サイクルの制約
- その他の制約や制限
メリット
- 素早い入金サイクル
- 導入の手軽さ
- 多様な決済手段への対応
- POSレジアプリを無料で利用できる
- 端末種類が多くて使いやすい
- オンライン決済にも対応している
- 非接触決済(タッチ決済)にも対応
自社のビジネスの特性、規模、販売形態、銀行取引先などを考慮し、Squareのメリットがデメリットを上回るかどうかを総合的に判断することをおすすめします。特に、新規開業やモバイル販売が中心の事業者、三井住友銀行・みずほ銀行を利用している事業者には大きなメリットがあるでしょう。
最終的には、複数の決済サービスを比較検討し、自社のニーズに最も合ったサービスを選択することが重要です。
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